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Q19 大気圏を抜けるときはどんな感じなのでしょう?

A19 大気圏を抜けるときも大気圏に戻るときも、そのことには気づかないでしょう。

大気は、高度が高くなるにしたがって徐々に薄くなっていくので、いつ大気圏を抜けたのかは、はっきりとはわからないでしょう。宇宙空間は、便宜上、高度100キロメートルから始まることになっていますが、高度100キロメートルで突然、大気がなくなる、というわけではありません。「宇宙エレベーターから見る景色ってどんな感じなのでしょう?」でも説明したように、クライマーが海上ターミナルを出発して上昇していくと、空の色は次第に濃くなっていきます。やがて宇宙が暗くなり、星が一面に広がるので、大気圏を抜けたことはわかります。しかし、その変化が穏やかなので、いつ大気圏を抜けたのかは、わからないでしょう。

しかも、クライマーの速さは音速を超えないように制御されるので、劇的な現象は何も起きません。衝撃波を発することもありませんし、雲を引くこともありません。また、再突入カプセルや小惑星探査機「はやぶさ」のように、空力加熱によって高温に曝【さら】されるようなことはありません。宇宙エレベーターのクライマーに乗っている人は、気づかないうちに大気圏を抜け、気づかないうちに大気圏に戻ることになるでしょう。(佐藤 実)

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