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Q18 宇宙エレベーターから見る景色ってどんな感じなのでしょう?

A18 地球が一望でき、瞬かない星が一面に広がっています。

宇宙エレベーターのケーブルは地球と一緒に回転しているので、クライマーから見る地球は、常に同じところが見えていることになります。国際宇宙ステーションからの眺めのように、眼下の地球が回転していて、様々な場所を見ることができる、というわけにはいきません。しかし、高度が400キロメートルほどでしかない国際宇宙ステーションからは日本列島を一望することも難しいのですが、高度3万6000キロメートルの静止軌道ステーションからは地球を一望することができます。

クライマーの高度が高いほど、水平線までの距離が伸びるので、高度が高くなるにしたがって、地球上の見える範囲が広がっていきます。海上ターミナルを出発した直後の、クライマーからの地球の眺めは、見逃せません。出発直後は海上ターミナルと海面しか見えないのが、高度が上がるにしたがって、周囲の島々が見え始め、やがて大陸も見えるようになっていきます。そして、静止軌道高度では、おなじみの気象衛星からの眺めと同じような眺めになります。昼には青い地球と太陽を反射する海面が、夜には漆黒【しっこく】の闇の中に灯る都市の灯りや雷などが、じっくり楽しめるでしょう。

もう1つの楽しみは、宇宙の眺めです。海上ターミナルを出発したクライマーから見える空は、高度が高くなるにしたがって次第に闇が濃くなり、やがて真っ暗な宇宙空間に出ます。宇宙空間には空気がないので、地上からは見ることのできないほどたくさんの、瞬【またた】くことのない星が一面に広がっています。肉眼でも、天の川をつくる星々が見分けられるかもしれません。クライマーに乗る機会があれば、ぜひ、機内の灯りを消して、宇宙の眺めを堪能してください。(佐藤 実)

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