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Q09 宇宙エレベーターの競技会を見に行けますか?

A09 残念ながら、見に行くことができる競技会はありません。

宇宙エレベーターのケーブルはまだ手に入りませんが、クライマーについては世界各地で競技会が開かれています。クライマーといっても、いまのところは、まだ人は載ることのできないモデルクライマーですが、高度1000メートルを超える高さまでケーブルを昇って降りてくるクライマーも登場しています。

世界初のクライマーの競技会は、2005年にアメリカで始まりました。その後、日本とヨーロッパでも開催されるようになりましたが、いまも毎年開催しているのは、日本だけです。

アメリカでは、2005年から2009年まで、2008年を除く4回、NASAの支援を得て、競技会が実施されました。アメリカでの競技会は、エネルギーを外部から供給する方法を採用し、賞金が出ていました。クライマーにバッテリーを積むのではなく、エネルギーを外部から供給するという点で、実際のクライマーに近い形で実施されていました。

ヨーロッパでは、2011年と2012年に、ミュンヘン工科大学において実施されました。ヨーロッパでの競技会は、高さは50メートルと短いのですが、バッテリーを積んだクライマーで、規格が定められた荷物を積み、エネルギー効率を競う、というものでした。

クライマーの競技会を開催しているのは日本だけ
日本では、2009年から、「日本宇宙エレベーター協会」が、毎年夏に競技会を開催しています。日本の競技会は、ヘリウム風船から垂らしたケーブルを、バッテリーを積んだクライマーで昇降するというものです。毎年、高度を上げていくことを目標にしていて、2013年にはついに高度1000メートルを超えました。いまのところ、世界中でクライマーの競技会を開催しているのは、日本だけです。

もちろん、競技会に参加すれば見ることはできますが、安全性の観点から、いまのところ、関係者以外には非公開で開催されています。日本宇宙エレベーター協会では、Webサイトなどで情報を公開しているので、そちらをご覧ください。また、本書の別稿でも「宇宙エレベーター競技会(宇宙エレベーターチャレンジ)」について紹介しています。(佐藤 実)

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